• 下条みつが日々感じたこと、考えた事を語ります。

メッセージ

2001年5月28日 農家におじゃまして

田植えもほぼおわりです。農作業のみなさん、お疲れ様です。

松本平は、日本でも有数の作付面積あたりの米生産量の高い地域です。 今や、ほとんどの作業は機械化され、農家は楽な生活ができるようになったと思われていますが、 実はそうではないようです。 減反、米の価格下落により農家の方々は専業で生計を立ててゆくことがもはや困難な状況です。

しかし、日本の食糧自給率は、39%と非常に低い水準です。 いったん何か事がおこればあっという間に国民生活が脅かされるというのが実情です。 平成3年から4年にかけての「米騒動」、私は銀行員としてアメリカ西海岸に赴任しており、 ちょうど帰国命令が出て、何件かの親戚からカリフォルニア米を持って帰ってくるようにと頼まれて、 わが耳を疑ったことは、記憶に新しいところです。

自給率の高いアメリカは、もちろん日本のような心配をする必要はありません。 ヨーロッパ各国もEUという新しい枠組みの中で、食糧自給率を伸ばしてさえいます。 都会の住民は、農家だけが手厚く保護されてきたかのような誤解を抱いているのではないでしょうか。 しかし、実情は、国の政策により、国益を損なってきたのではないかと思われるのです。

「農家を守る」という名目で、補助金を出して減反を推し進めた結果が、 現在のような荒れた休耕田の現状です。 政府の行ってきたことは、実は農家を守るという名目通りにはなっておらず、 中間マージンを取る流通業者や責任を取るべき農林水産省を守るばかりだったのではないでしょうか。 食料を生産する農家も、それを消費する都会の住民も同じ日本国民です。 国全体の利益、安全を考えたら、目先の利益だけにとらわれた政策をとるべきではなかったと思います。

現在は、インターネットや民間企業の努力により、流通のグローバル化が進み、 食品価格の下落も避けられない問題です。 当然、買う側にとっては物が安くなるのは歓迎すべきことです。 政府が推し進めてくるべきだったのは、農業に関しては、 世界に太刀打ちできる低コスト化に対する「農家の努力」への補助であるべきでした。

考えてみると、長きにわたり、政府自民党の取ってきた政策は、 国民のためではなく自党のため、票のためであったということが、今はっきりわかります。 農業政策だけではない、金融・経済政策もしかりです。 バブル経済を招き、日本経済を破綻させた張本人達が、 責任を取ることもなく、のうのうと国会の場に居座っている。

小泉内閣は、「聖域なき構造改革」を打ち出していますが、 まっさきにそのあおりを食うのは、まちがいなく弱小企業・社会的弱者そして一般国民です。 政治主導で、今まで遅れに遅れた「責任を取る」なら、 その前に失業者対策・社会保障の充実を図るべきです。 財源は、議員の給料や省庁のリストラで行うべきだと思います。

総理の言うように、規制緩和の促進によって新しい産業が生まれていくことも望めるかもしれません。 しかし、規制緩和は、同時に強い者勝ちを促進することを忘れてはなりません。 社会構造が日本の将来にとって良い方向に促進されるまでの間、 全ての日本国民が、激しい「弱肉強食」の期間を生き延びなくてはならないのです。